宝物の風景~はままつの空と物見遊山

「宝物の風景」は浜松健康院のプライベートブログです。何気ないけど心に残った風景を撮影して記録しています。

天竜「竜頭山」修験の森周回!迂回登山道がおもしろい!戒光院跡探索と富士山展望

天竜の竜頭山は、平和(ひらわ)登山口から入り途中の分岐から「杣(ソマ)小屋ルート」で登って一般登山道で下りる、反時計回りで周回する人がほとんどです。
三度目の私は、山頂付近の天竜の森の一角である「修験(しゅげん)の森」を探索するため、体力温存のため「杣小屋ルート」を避けて一般登山道(遊歩道ルートとか木馬道ルートと呼ぶ人も)で登ることにしました。

天竜「竜頭山」修験の森周回!迂回登山道がおもしろい!戒光院跡探索と富士山展望

登山道工事中のため迂回路に入った

GPSコース図:右上クリックで拡大




天竜「竜頭山」修験の森周回!迂回登山道がおもしろい!戒光院跡探索と富士山展望

最初は緩やかだが巨岩など迫力ある登山道

平和登山口の路肩の駐車スペースからすぐに登山道に入れるので、無駄な?車道や林道歩きなしに登山が楽しめるのが竜頭山の良い所です。
頂上まで4300m、仙戸地区との分岐点(案内板あり)から登りがきつくなります。

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「青なぎ」標高505m・頂上まで3700mを通過

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杣小屋ルート(右)との分岐を真っ直ぐ進む

「青なぎ」までは「大輪」からのルートとの合流地点ですが、そのルートは橋が落ち危険なため迂回するよう案内板が設置されています。
昔はそのルートがメインだったそうで、木材搬出に使われていたために「木馬(きんま)道」と呼ばれました。
木馬(きんま)とは木材搬出の道具であり、堅い材木でそりに似た形のものを作り盤木(ばんぎ)を並べた搬出路を引き、木馬曳き職人もいたといいます。
青なぎからほおずき平(避難小屋)まで、現在の一般登山道の途中まで元々木馬道だったため「木馬道ルート」と呼ぶ人もいるわけです。

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標高600m・頂上まで3,085m

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標高700m・頂上まで2,750m

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標高800m・頂上まで2,400m:画像クリックで展望画像

鉄道の枕木のように丸太が並べられたのが木馬道で、役目を終えた木馬道が登山道になりました。
この近辺に木馬道の名残があります。

冷たい風が吹き付け、汗をかいた身体を急速に冷やしたため、一度脱いだフリースベストを再度着込みました。
頂上はもっと寒いと思われ不安になりましたが、先に進むと冷えも落ち着きほっとしました。

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標高800m・頂上まで1,980m

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工事中のためまわり道へ:画像クリックで別画像

下調べで情報を得ていた迂回路に入ります。
竜頭山ほどのメジャーな山は、最近の登山の様子を記録している人が多く情報を得やすいです。
画像でわかるように、ピンクテープがあるためルートがわかりやすくてとても親切です。
一旦沢まで下りて渡り、どんどん登って行くのですが、思った以上に長い距離でした。

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巨大な岩横も通り抜ける:画像クリックで別画像

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下って沢を渡ると本道に合流

この「まわり道」、下った人は非常に多いと思いますが、登った人は少ないはずで貴重な体験ができました。
通常のルートよりも変化があり、テープを目印に進む踏み跡薄いコースは非常に楽しかったです。
別ルートとして今後も残ると良いなと思うほどです。

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石が多く歩きにくい枯れ沢

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分岐点から山頂方面へ 初めて歩く道

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丸太が崩れ階段というより障害物

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展望のよい遊歩道で山頂へ:画像クリックで展望画像

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山頂に到着 東側の展望が開けてて富士山の頭がくっきり

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三度目の正直で富士山が見られた:画像クリックで拡大

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こちらは南東方面:画像クリックで拡大

山頂では風もなく、おひさまが照りつけ、富士山を前にしておにぎりを食べましたが、今までで一番の美味しさでした。

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展望台から天竜川方面:画像クリックで南アルプス方面

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「修験の森」をいつもとは逆に下ります

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右方面が「杣小屋ルート」 逆の左へ下ります

すぐに「修験の森」案内板がありますが、それには「戒光院跡」などは明記されていません。
戒光院のあった場所は秋葉寺の奥の院があったのですが、袋井の可睡斎に移設された後に秋葉総本山戒光院という真言宗のお寺として独立し、多くの人が登山参拝したそうです。
秋葉寺奥の院は名古尾沢に再建されて、一時は山奥に二つの寺院が存在していたとか。


後に戒光院も竜頭山を下り、春野町豊岡山路(金川)に移転しましたが後に放火により全焼し廃寺となりました。
奇しくも、袋井可睡斎の奥の院も2006年放火により焼失しています。(再建されたが別形)

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天竜スーパー林道へ下りる:画像クリックで反対角度

戒光院跡へ直接下るルートは見つからなかったので、一旦スーパー林道へ下り北へ向かいました。
右側に駐車場(空き地)がある所から逆方面への入口があり、その近辺が「戒光院跡」です。
しかし、林道工事のためか石垣が残っている以外に形跡は見当たりませんでした。

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唯一の名残:画像クリックで石碑

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多分これが「飛石」「蟻の登渡り」竜頭山の行場エリアと思われる

悟りを得るために修験僧が修行した場所である「行場(ぎょうば)」がこの一帯にあったそうですが、立ち入っているのは工事用の重機のみといった感じで残念というか寂しい限りでした。

修験の森エリアの下道を通って「修験の森広場」(広場ではないが)を通過し、「避難小屋」まで出るつもりでしたが、この道も使われてないようで、あまりの草の多さで途中で間違い、いつも通っていたルートで「ほおずき平」へ出ました。
そこで午後1時だったので、「天竜の森」の他エリアを周回するのは諦めて同じルートを下山しました。
またの機会に天竜の森は全て周回したいと思っています。

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鉄塔下から西方面の展望

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ほおずき平 今回は歩かず

修験の森からスーパー林道への降り昇りで、太ももの筋肉がつりそうになる時がありましたが、上手に休ませて回避できました。
歩いた総距離は19.6kmで約20km、所要時間は7時間54分、約8時間、歩数計は32,415でした。

人気のある山なのに、山中は誰とも会いませんでした。
平和登山口に戻ると、ちょうど後ろから登山者が追いついて来て、車も自分のとその方のだけでした。
天候にも恵まれ、最高の登山を楽しめました。

冬は雪山と化す竜頭山、雪山は登らない(登れない)自分ですが、歩きがいもあり、秋葉山との関連も多い山なので、今後もチャレンジして行きたいと思います。

なお、本文中の「木馬道」「戒光院」に関する情報は、「よみがえれ秋葉古道」サイトを参照・抜粋させていただきました。
そちらには、竜頭山周辺の歴史、木馬の模型画像、焼失前の秋葉寺奥の院と戒光院の画像、戒光院跡に残る祠画像などが見られるので是非ご覧下さい。


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