掛川市の最高峰(832.1m)
「八高山(はっこうさん)」は富士山の眺めが良いので有名で、ハイキングコースも整備されていて人気のある山です。
山の麓と山頂付近には
「白光神社(はっこうじんじゃ)」があります。
字違いの同じ読み方の山名と神社名がおもしろいと思いました。
山と神社や寺院は切っても切れない縁のようなもの。
その形態などから、神社の規模は違えど
春野町の秋葉山に似ているのかなと思いました。
山頂より北側に
「天狗の桟敷」という名の峰があることから、修験者(
天狗)が往来した信仰の歴史のある山だとわかります。
今回は八高山山頂からの富士山展望と、山頂北側にあり、この時期氷瀑(ひょうばく:滝などが氷結してできる)することもあるという
「大垂滝(おおたるだき)」を見ることが目的です。
スタート地点は
大井川鉄道の
「福用駅(ふくようえき)」になります。
駅は国道473号線バイパスから左(西)方面に旧道に入りますが、案内表示などがありませんので注意してください。
横断歩道のある所に郵便マークの付いた商店看板があるので目印にしてください。
駅の横に駐車場があるので、そこに停めて出発します。
無人駅ですがトイレもあり、商店前には自販機も並んでいます。
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山の中腹まで3つのコースがありますが、今回は①のコースで案内します。
駅を出て右(北)方面に進むと左側に早速案内板があります。
左に少し見えている建物は公民館です。
茶畑の中を進むと、突き当たりが麓の
「白光神社」です。
鳥居をくぐって左側に鐘楼があり、その裏手から登山道がはじまります。
いきなり激しい急登で大変です。
いきなり
「クマ注意」の看板があり、不謹慎にも「パーマ大佐」の替え歌騒動を思い出してニヤリとしたのですが、後でとんでもない目に遭うことになるとは・・・
登山道は急登で厳しく、しばらく行くと作業用モノレールのレールが現れます。
レールをくぐって進む山道は珍しいのではないでしょうか。
急登が終わると「五輪段」の分岐点に出ます。
右方向から合流するのが上記地図のコース②で、帰路に使用される方が多いようです。
ここにも
クマ注意の看板があります。
林を抜けると伐採地に出て展望が開けます。
下には林道が見え、後に合流します。
この辺はしばらく平坦、緩やかな道が続くので楽です。
林の中に再び入ると、左手から合流する分岐点があります。
地図上で「帰りのコース」とされている道です。
林道と合流してしばらく進むと
「馬王平(まおうだいら)」という広く開けた場所に付き、ここからまず富士山が展望できます。
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「馬王平」についての説明がギリギリ読めると思います。
八高山山頂へは、ここから左手に再び急登で右側が伐採された道を上がっていきます。
先に延びている林道に進むと
「大垂滝」に行けます。
再び急登のまま森林の中に入っていくと大きな建造物(
反射鏡)があり、それをまきながら更に登っていくと
「白光神社」に到着します。
鳥居、拝殿、本殿としっかり構成されており、拝殿後方に壁がないのは珍しいと思いました。
取水が氷っていました。
神社前も分岐点になっており、冒頭の地図を見るとわかるとおり、左手に進むと原生林の中を下っていきます。
(※ 下記記事で歩きました)
神社右手から頂上への登山道は続きます。
もうひとがんばりです。
そして福用駅から山頂まで約2時間で到着すると、見事な富士山展望でした。
徐々に大きく見せていくので、お楽しみください。
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南アルプス・画像クリックで拡大
山頂からの帰りは、元のルートで戻るのが一般的ですし安全なのでオススメします。
私の場合、山頂を通り越して北へ進み、「
バランダ(原の平)」の
「天狗の座敷」を通過して
「カザンタオ」という分岐点に出て、林道で
「馬王平」に戻る途中で
「大垂滝」を見る予定でした。
参考にしたのは
掛川市のHPの記事でした。
しかし、
「天狗の座敷」からルートを間違えて、
「川近神社」に下りてしまったため、今回正しいルート案内ができません。
八高山山頂から北側は、陽が当たらないせいか暗いイメージで、案内指標も減ってわかりにくかったです。
ちゃんとしたコース図や地形図を準備する必要があります。
カザンタオの案内板・画像クリックで拡大
カザンタオの分岐地点
「カザンタオ」までは車で来ることができ、ここから山登りする人もいるようです。
ゲートから林道に入って右手に登山口(白いペンキが塗られた木の間)があります。
(※ 2019年1月 このルートは危険なため通らないように注意書きが稜線側にあった)
カザンタオまで何とか戻ることができ、
「大垂滝」に向かい林道を歩いているとき、いきなり前方で「ウォホッ」という叫び声と同時にガサガサという音がしました。
何かと思ってそちらを見ると、黒く大きな動物が背中を向けて逃げていきます。
「えっ!まさかクマ?」
カモシカは何度も見たことあるので、あれは間違いなくクマだったと思います。
林道横、やや上方の山の斜面、15~20m先でしたが、思わず立ち止まって動けませんでした。
私は
クマよけの鈴を常に付けて歩いていますが、そのおかげか、先にクマの方が気づいて逃げ出してくれたようです。
こちらに向かってこなかったのはラッキーでした。
調べたところ、積雪のない地方のクマは冬眠はしないで活動を続けるのだそうです。
山に入ってからの
「クマ注意」の看板は、本当にクマがいるということなのです。(疑ったわけではありませんが)
脱線しましたが、
氷瀑した「大垂滝」の画像をご覧下さい。
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林道も氷っています
有名な各地の氷瀑の滝に比べるとスケール的には小さいのかもしれませんが、初めて見る氷った滝には感動しました。
すぐ近くに、八高山山頂に直接つながる登山口がありましたが、入口付近を見ただけで難しそうなのでオススメしません。
画像でわかるように、広い路肩のある所です。
(※ 下記記事で歩きました)
ここで女性二人組と会い、滝のことを尋ねられたので「もうすぐ」ということと「氷ってましたよ」とお話をしました。
もちろん、その先でクマを見かけた情報も伝えました。
二人共驚かれて大騒ぎ。
道に迷ったり、クマと遭遇した後だったせいか、人と会って話をしたらホッとしました。
「クマ注意」などの表示看板のある山に入る際は、「またまた」なんて思わず、十分注意してください。
クマよけの鈴を付けたり、ラジオを流しながら歩いたり、笛を携帯したり、爆竹やクマよけスプレーというものもあります。
物によっていろいろ賛否もあり、運次第なんていう意見もあるようですが、準備に越したことはありません。
やれることはやっておくべきです。
今回も、クマよけの鈴があったおかげかもしれません。
私は次回から笛も持参しようと思います。
以前、愛知県鳳来寺山で見た注意書き
自然の中に人間がお邪魔させてもらってるわけですから、必要以上に怖がらず、しっかり準備して、山歩きを楽しみたいものです。
今回はルートをはずしてしまい、とてもガイドができるものではなくなってしまいました。
山歩きというのは、それだけ難しい面もあります。
下調べを十分行って、安全に楽しく行いたいものです。
また、何かあったときに対応できる準備が大事です。
いろいろ経験したので、次に生かしていきたいと思います。