※ 結果的に一般ボランティアの介入により自然歩道の閉鎖はありませんでした
坊ヶ峰に登れなくなるのが信じられない
記録的に短い梅雨が終わり、うだるように暑い日が続く中、湖西連峰で9月から閉鎖されてしまう自然歩道歩きは続けるしかありません。何しろ残された時間は限られています。
閉鎖されてしまう自然歩道のうち、唯一本線(豊橋自然歩道)である
本坂峠から
中山峠の区間は、私が一番納得できないルートです。何しろ本線ですから、湖西連峰の南北に連なる稜線を分断してしまうし、
坊ヶ峰という山頂に神様が祀られている場所に行けなくなってしまいます。
GPSコース図(本坂峠まで往路:嵩山自然歩道 復路:姫街道)
本坂峠と中山峠の間の区間は見晴らしの良い場所があるわけでもなく、アップダウンが多い厳しい道のりのため、歩行者が少なく廃止の対象になったようです。しかし、ここは支線ではなく本線です。再考を願っています。
嵩山蛇穴:画像クリックで説明書き
愛知県側の本坂トンネル出入口にある駐車スペースを起点に、
嵩山自然歩道で本坂峠まで登ります。登り口付近にある「
嵩山蛇穴(すせじゃあな)」を初めて見ました。近くの石巻山にある蛇穴より大きくて迫力があり、少し異様な神秘感が漂っていました。信濃の善光寺まで続いていたら・・・スケールの大きな伝説です。埋蔵金はありそうな気配でした。
浅間神社参道と合流
本線上の頭浅間(大山社)
本坂峠へ下る前の展望地 アクトタワーが見える
2020年の12月に初めて歩いたときは足浅間から浅間神社参道で登り、途中から雪景色になって感動したのが良い思い出です。中腹の腹浅間には大きな神社があり、地元の信仰の厚さも感じました。この嵩山自然歩道は廃止されないのでこれからも歩けます。
本坂峠には例の忌まわしい廃止を知らせる立て看板がありました。9月からは本坂峠から北上できなくなります。
坊ヶ峰山頂 新たな山頂表示があった
坊ヶ峰三角点 最後にしたくない記念撮影
正直に言うと、坊ヶ峰山頂まで登った時点で既に暑さでかなりの体力を消耗していて、安全のためにここで引き返そうかと思ったほどでした。このルートは夏には向きません。ただ9月から歩けなくなってしまうことがそれを打ち消して足を前に出していました。
汗をたっぷりかき、シャツが濡れて重たくなるほどだったので、速い段階で着替えも行いました。濡れたままだと汗腺を塞いで更に疲労度を増してしまいます。この日の山行で着替えは3度行いました。
愛知県側 本宮山の見晴らし
四等三角点「三ツ岩」444.9m
最後とはどうしても思えない山道
中山峠
中山峠まで来ると再びあの忌まわしい大きな白い看板が立っています。ここまで来ると当初から予定していた
「中山自然歩道」も歩いてしまおうと気持ちを奮い立たせました。中山自然歩道も9月以降廃止・立ち入り禁止となります。初めて歩くルートで中山峠から愛知県側に一旦下山します。
下:中山自然歩道 登山口
中山自然歩道の山道区間はとても短く、すぐに林道終点地に出てしまいました。あとはひたすら林道歩きとなり、情報では獣避けゲートがあり、墓地駐車場を利用する登山者が多いということです。
この林道歩きが一番きつく感じて、砂防ダムまで下ったところで嫌になって引き返すことにしました。登り返すと下りのときには気づかなかった疲労感でペースダウンして、中山峠に戻ったときは足を攣って座り込んでしまいました。
最もハードな登り区間
稜線上は木陰の中を心地よい風が吹くときがあり、足を止めて風を体に受けて休ませました。問題は風が吹かない場所で、蒸し暑さと疲労、持ち合わせの水分がなくなる危機感との戦いでした。
坊ヶ峰山頂に戻ると後は下りだけなのですが、十分な休憩時間をとって息を整えました。しかし、急な下り道では足の踏ん張りが効かなくなり、新しい靴で足先も痛みが出て、体力的に限界が来てしまいました。
姫街道の「弘法水」で救われた
本坂峠を通過したあと呼吸の苦しさが戻らず、再び座り込んでしまい、そのときはわからなかったのですが少し眠ってしまったようです。気持ちよい風に吹かれているうちに回復して立ち上がることができました。軽い熱中症だったかもしれません。
2020年12月のときは水が枯れてなかった
「弘法水」に水があり、口に入れることはしませんでしたが顔を洗い、タオルを濡らして頭に巻くと生き返った気分でした。弘法大使も同じような気持ちだったのでしょう。更に下った所にも
「水場」があり、水のありがたさを痛感することになりました。
貴重な水場
姫街道と旧本坂トンネルに繋がる車道との分岐に出たところで、廃止される自然歩道の様子を見に来た方と話しをさせてもらいました。愛知県の明神山や鳳来寺山等の山道整備に関わっているそうです。豊橋市に対して話し合いや様々な働き掛けを行っているグループもあるようです。良い方向に向かうことを願うと共に、自分は歩いてブログ記事にして、自然歩道の素晴らしさをアピールするしかないと思っています。
三ケ日町が管理してくれると嬉しい